アドラー心理学とは
オーストリアの精神科医アルフレッド・アドラー(Alfred Adler、1870-1937)
が築き上げ、現在も後継者たちの手にによって進化し続けている心理学です。
日本ではアドラー心理学をベースにした「嫌われる勇気」という本が大ベストセラーになっています。
アドラー心理学とは
未来志向
- 幸せに生きるために、過去ではなく未来に目を向ける
- 信頼と尊敬のある対等な人間関係をつくる
- 様々な悩みがあっても、自分ができることに着目する
個人と社会の実現
- 個性の尊重・自分の生き方を希求する
- 他者貢献や社会の一員としての共同体感覚を得る
「社会の抑圧」や「個人の尊重」がこれだけ叫ばれる現代だからこそ、
その言葉が重要な気づきを与えてくれます。
- 目的論
目的論とは、人間の行動にはすべて目的があり、
自分が現在置かれている状況は自分の目的を達成するために自らが選択した道である、という考え方です。
対して、目的論と対比されることの多い原因論は、
結果にはすべて原因があり、
自分が現在置かれている状況は自らの過去によって決められるという考え方になっています。
- ヨコの関係
人間のあらゆる行動には相手役が存在する(対人関係)。
その中で、ヨコの関係とは、人々が年齢性別関係なく横並びに位置し、
お互いに信頼関係を築く・尊敬し合うという関係が構築されます。
タテの関係は、「上から下への支配」「下から上への依存の関係が構築されている」ことです。
支配や依存から生まれるタテの関係からは、他人から承認されたいという承認欲求が生まれる一方、
ヨコの関係では、自分以外の人を対等な立場と見なすため、共同体感覚を生み出します。
共同体感覚は
「自己受容」ー自分自身を受け入れる、
「他者信頼」ー相手のことを信頼する、
「他者貢献感」ー自分の存在が相手の役に立っている、
この3つによって成り立っており、
アドラー心理学のゴール、「幸せに生きる」ことの中心となっています。
その他、
・人間は、自分流の主観的な意味づけを通して物事を把握する(認知論)
・人間は、自分の行動を自分で決められる(自己決定性)
・人間の生き方には、その人特有のスタイルがある(ライフスタイル)
などの理論で人間の本質を探っています。